かつて日本の人形はふくよかで細い目の『京もの』とぱっちり目の『関東もの』が主流でした。
その中で革命をもたらしたのは熊倉聖祥です。
現在日本で流通する雛人形の頭部の約8割が熊倉聖祥の原作であると言われています。
この『天女吉祥』も現代美人で柔らかな表情は格別であり、どの角度から見ても気品に溢れた作品です。
熊倉聖祥
新潟県に生まれた熊倉聖祥は画家を目指していましたが、画家では食べていけないと16歳で人形界に入ります。
人形制作する一方で19歳の時から日本画を、24歳からは彫塑(ちょうそ)という粘土などから制作した原型を元に型を制作する手法を学びました。
26歳で日本人形から離れマネキン業界に入り、1972年41歳の時 日本人形に復帰します。
そして人形の顔が伝統的ではあるものの、現代の美人の定義から離れていることから、若い世代の気持ちに寄り添いたいと、自分流の顔を創作し始めました。
普段からすれ違う女性の顔を観察し研究しているそうです。
切れ長の二重まぶた、涼しげな目元、小顔ですっきりした顔立ち、そして特に眉間の表情にこだわった作品は、日本の人形業界のレベルを底上げしたとまで言われ、広くライセンス生産されることとなりました。
1987年 内閣総理大臣賞(日本人形協会)など多くの賞を受けています。
熊倉聖祥は歴史に名を残す巨匠であり、熊倉聖祥自身が手掛けた作品は中古市場でも高い人気です。
頭師とは
雛人形の制作は通常分業で6部門に分かれています。
頭師、織物師、小道具師、手足師、髪付師、そして最後の総仕上げをする着付師です。
頭師は人形の髪の毛を除く頭部を制作しています。
その制作方法は、現在ほとんどが『石膏頭』と呼ばれる石膏をシリコン型に流し込んで作る量産品です。
対して伝統技法である『桐塑頭』(とうそがしら)は同じように型を使いますが、桐塑(とうそ)と呼ばれる桐の木の粉としょうふ糊を混ぜて練った物を詰めます。
肌には胡粉(こふん)と呼ばれる貝殻の粉を膠(にかわ)で溶いた物を丹念に塗り込め、目・鼻・口に固めの胡粉を盛り上げて塗り、彫刻で形を整えることから、一つ一つ違った仕上がりです。
石膏と違い細かい表現ができるので、口の中の歯や舌も作り込まれます。
桐塑頭は何度も塗りや乾燥を繰り返すので、その制作期間は1ヶ月以上です。
手間はかかりますが全て天然素材なので、年月が増すほどに艶が出て味わい深い人形となります。
現在この桐塑頭が作れる頭師は数人しか存在せず、熊倉聖祥はその貴重な一人です。
熊倉聖祥の作品をお買取りいたします。
いわの美術では熊倉聖祥の作品をお買取りしております。
熊倉聖祥 原作の量産品はお買取り対象外となりますので、ご不明な点などあればお問い合わせ下さい。
いわの美術は写メを送信することにより無料査定が受けられるサービスを提供しております。
Web無料査定、LINE無料査定、お電話でのお問い合わせ、の中からご都合の良い方法でご利用下さいませ。
お買取りはお客様のご納得の場合のみ行っておりますので、初めてのお客様も安心してご活用下さい。
スタッフ一同、お客様からのご連絡を心よりお待ちいたしております。