このお品物は兵庫県のお客様よりお買取させていただきました。 当初、河井寛次郎は中国・朝鮮の名作に倣う作品や化学的な研鑚の成果を取り入れた 技巧を使い華やかな作品を発表し、新人にして名人と脚光を浴びた。 しかし、柳宗悦や濱田庄司との出会いや彼らの紹介する民芸作品・民芸理論に触れるうち、 自らの製作する作品に疑問を持った。 そして民芸作品をつくった無名の公人の様に生活陶器に美しさを見出していった。 この作品の簡素な花絵図が、民芸作品としての味と意味を持ち、 河井寛次郎の民芸理論を表しているように思える。