お写真のお品物は葉山有樹の染錦獅子唐草文花瓶です。
葉山有樹は有田焼の作家で、15歳の時に地元の陶器製造会社に入社し、毎日大量の焼き物の絵付けを行い技術を磨いてきたそうです。
伝統的な古伊万里の技術の基礎にのっとり、より高く、より美しい創造美を求めても成し得なかった 細密画の技法を完成させた現代陶芸家として知られています。
この「有樹」という名前は自身の息子の名前で、陶芸家としての事業を息子を育てる気持ちで続けてきた証として名乗っているそうです。
この陶磁器にびっしりと描かれた細密画は薩摩や九谷でも見られるものですが、葉山有樹の作品は、薩摩や九谷の金燗手とは異なり、染付に赤絵(色絵)を付ける染錦といわれる青を基調とした作風が特徴です。
この細密画はとても細い筆で描かれるものではなく、とてもその筆でこの細密画が描けるとは思えないほど太い筆を使用しており、これは墨付きを長くするために使用しているそうです。
また、図案は下書きなしで制作し、頭の中にある構図だけで描いています。
お買取りしたお品物は、とても綺麗な状態で、共箱、共布がご一緒でした。 葉山有樹の作品は新品は小さいものでも20万円程で売られており、花瓶などの大作は300万円以上の値がつけられています。
そのため、こちらのお品物も高価買取させていただきました。