今回、いわの美術が買取りしたお品物は、北海道沙流
郡平取町二風谷にてアイヌ民族伝統工芸を製作してい
る高野繁廣氏のマキリです。こちらの作品は1993年9
月に作成されました。
アイヌ工芸品の中でも根強い人気を維持しているのが
マキリと呼ばれる伝統的な刃物類です。
マキリ自体はとは樺太アイヌの小刀を意味しますが、
こちらのマキリはメノコマキリ（女用小刀）です。
そのいわれは、好きな娘ができるとメノコマキリを
作って贈るというものです。その女性がマキリを腰
にさげれば求愛を受けたことになり、夫が早死にし
た時には、刃の部分を抜き取って一緒に埋葬し、そ
の後は空のサヤを、腰にさげるとされています。
アイヌ民族のマキリには、柄や鞘に美しいアイヌ文
様が彫刻されています。
アイヌ紋様は地域や家系によって違いはあるもの
の、それぞれ魔よけの願いがこめられたものとさ
れています。
ラムラムノカ（うろこの形）、モレウノカ（静か
に渦巻く文様）など各々意味があり、これらを組
み合わせて複雑な文様が描かれています。
また、こちらのアイヌ刀には、キラウ(エゾ鹿の
角)が施され、鞘にはくるみの木、桜の木の皮等
が配されています。
高野繁廣氏の作品は時間をかけて現在のアイヌの
心を持ち真心をこめて作られたものであり、お土
産品として気軽に入手できるものではなく、唯一
無二です。
高野繁廣氏は、貝沢守幸門下で木彫修行を始め、
1979年に独立、全道アイヌ民芸工芸品コンクール
最優秀知事賞受賞、アイヌ工芸作品コンテスト優秀
賞を受賞しています。ご夫婦高野啓子さんとともに
アイヌ民族伝統工芸を製作、高野民芸を営み、コン
クールなどにも出展しています。
いわの芸術では高野繁廣作品などアイヌ民芸品、ア
イヌ民族の着物の買取をしています。ご自宅に眠っ
ているお品物のご売却をお考えの方、是非一度いわ
の美術にご相談ください。
