今回、いわの美術がお買取したお品物は、村上玄輝の花瓶です。
村上玄輝は佐賀県出身の陶芸家で、有田焼名門の窯元である館林源右衛門で修行を重ねた実力ある作家です。
独立してから玄輝工房を設立し、近畿地方に展開する近鉄百貨店をはじめ、東京、九州の有名百貨店での個展を中心に活動を続けていました。
すでに亡くなっている作家ですので、新しい作品が作られる事がなく、現存する作品のみが取引されているため、お品物によっては高価買取が期待できる作家です。
村上玄輝は、赤絵、色絵の伝統的な技法を基本としながらも、精緻を極める線描の確かさと独創的な絵付け、更に大胆な釉薬発色が特徴で、鮮明さと深みを持ったオリジナル性の高い作品を展開しています。
今回は花瓶でしたが、その他にも大皿、香炉などの観賞用の作品から、酒器、湯呑、珈琲碗など実用的な日用食器の制作を行っています。
作品には「玄輝作」と書かれているのが特徴で、読みやすい筆致ですので、知識のない方でも簡単に読み解く事ができます。
有田焼の基本をおさえながらも、独自の世界観と作風で多くのファンを魅了している村上玄輝の作品という事で、共箱などの付属品はありませんでしたが、目立った傷や汚れも無かったため、高い評価で買取を行いました。
