今回、いわの美術がお買取したお品物は、奈良県奈良市にある閑静な住宅街の中にある人形工房「工房朋」が手掛けた市松人形です。
工房朋では今回お買取したような市松人形を中心に制作を行っており、雛人形や五月人形、洋人形の制作を行っております。
工房朋は森重春幸が1983年に設立した人形工房で、現在は約15名のスタッフと共に人形制作を行っており、全国各地の百貨店やギャラリーで個展を開催しており、多くのファンがいらっしゃいます。
人形の制作にはこだわりを持っており、顔と体の素材には胡粉と膠を使い、この二つを一定の温度で何度も混ぜてから型に入れて取り出し、半年ほど冷暗所にて乾燥させてから目や唇などの彩色を施していきます。
髪の毛も人毛を使っており、人形が破損した際は購入時に料金が含まれているため、修理を無料で行うなどアフターサービスも手厚い事で支持を得ています。
また、人形が着用している着物は江戸中期から昭和初期までにかけての時代物の着物を人形用に仕立てており、全て一点ものとなっており、着せ替え用の着物も販売しています。
お買取した市松人形はとても保存状態が良く、足元にはビニールがかぶったままの状態でした。
市松人形は直射日光や手垢などによって顔や着物などが変色してしまう事も多く、髪の毛もボサボサでほこりまみれのままですと高い評価を得る事ができず、買取額が下がってしまいます。
市松人形のご売却をお考えでしたら、出来る限り綺麗にして頂いた方が買取額がアップしますので、査定前には綺麗にしておく事が重要です。
しかし、着用している着物などを洗濯し、縮み、退色、シワなどが発生しますと買取額が下がってしまいますので、やりすぎには注意が必要です。