今回、いわの美術がお買取致しましたのは、葉山有樹の金彩緑鳳凰唐草文双耳香炉です。
葉山有樹は、誰も成し得なかった「細密画」の技法を完成しつつ、陶画の世界を新しく展開し、その細部に宿る聖なる美を感じさせる細密な描き込みの陶磁器で、日本のみならず海外でも高い評価を得ている有田焼作家です。
葉山有樹の細密画法は、薩摩焼や九谷焼の金燗手とは異なり、染付けに色絵を付ける、いわゆる染錦といわれるものです。
葉山有樹の細密画法を用いた作品は、一般の絵師では考えられないほど細密に絵付けがなされており、遠目には単色に映り、近目には文様が浮き上がるというもので、それは、葉山有樹のみが持つ技術力、根気力、集中力、色彩感覚などがあって、始めて成し遂げられるものといえるでしょう。
葉山有樹は、一点一画を疎かにせず、その妥協のないこだわりは、作品の内部や蓋の裏、高台にいたるまで表現され、その作品には完璧なまでの気品が漂っています。
葉山有樹は、400年に亘る有田焼の歴史と伝統の中に彗星の如く現われた天才絵師と称されています。
今回買取の葉山有樹の作品は、数種の花を有する唐草文の間を、飛び舞う鳳凰を描いた意匠の格調高い金彩の双耳香炉です。
お買取した葉山有樹の金彩緑鳳凰唐草文双耳香炉は、ふくよかな曲線を持ち、ミクロの技法が生み出す金彩の輝きと、流麗な鳳凰唐華文様が組み合わされた高貴なまでの美が追求された香炉です。
まさに前人未到と言われる細密技法を駆使した葉山有樹ならではの作品で、極めて繊細でゆるぎのない表現が、見る者の心をゆさぶり、驚嘆に値する華やかさと気品に溢れる作品です。
残念ながら、買取査定の際、共箱は付属しておりませんでしたが、葉山有樹ならではの圧巻の細密画が施された極めて芸術性の高い作品であることから、高価買取にて対応させていただきました。
いわの美術では、年間多くの葉山有樹の作品買取を行っており、一点からでも高価買取の期待できる作家として、葉山有樹の作品買取を強化しております。
