今回いわの美術がお買取したお品は、浄土宗 山本空外(物故)の肉筆の一行書です。
山本空外(本名：山本幹夫)は浄土宗の僧侶にして、東大卒の哲学者であり、書の天才、語学の天才といわれた人物です。
島根県には「山本空外記念館」もありますが、一般的にはあまり知られておらず、知る人ぞ知る偉大な僧侶です。
山本空外は、むしろ外国でよく知られており、かつてレーガン米大統領が来日した際に、KUGAI YAMAMOTOの書を所望され、当時の政府の要職に知るものはなく、当時、島根県選出の竹下登代議士の伝手で入手したというエピソードが残されています。
山本空外は、広島市の真宗門徒の家に生まれ、幼年より宗教心に目覚め、青年期には弁栄上人の浄土思想と出会い、念仏三昧を成就し霊性の世界に覚醒したといいます。
広島出身の山本空外は、のちに原子爆弾で被爆するとともに、その惨状を目の当たりにすることとなり、「争いの繰り返しは、人類破滅にほかならない」と真の平和を希求し、出家します。 そして、学生時代に専攻した哲学に、東洋と西洋の思想を深く研究し、それらを織り交ぜながら、すべての人々の生き方の光ともなる「無二的人間の形成」を確立しました。
今回お買取致しました山本空外の一行書には、独特の書体で「是心是仏」と書されています。
是心是仏(ぜしんぜぶつ)とは、仏教用語で、「観無量寿経」にある言葉です。是心是仏は、人間の心こそが仏であるということを示しますが、様々な解釈があるとされています。
山本空外の信仰する浄土宗において是心是仏は、“心に仏を観ずるとき、その心が仏であるということ”となっています。
山本空外の書は、空海や良寛と同じく自然の命が躍動する心の書といわれており、詩人の坂村真民によれば「念仏の中から生まれてくる山本空外の書は、全く他の書家の書と違い、～中略～生きてゆく力と喜びとが生まれ、命の延びる書である」と讃えられています。
山本空外の茶杓・茶入・茶碗等には真の茶道文化そのものが表現されており、市場でも掛軸や書画、茶碗などが高い人気を集めています。
いわの美術では、山本空外の書画などの作品買取を行っています。書画や掛軸の買取においては染みや折れがあると、その価値を大きく下げてしまいますが、状態や市場需要などにより、山本空外の作品は高価買取が可能となるお品物です。オンラインメールフォームでの無料買取査定も承っておりますので、お気軽にご相談下さい。
