今回、いわの美術がお買取したお品物は美人画で有名な伊東深水の木版画です。
「雪」とタイトル付けされた作品ですが、伊東深水の作品のなかに「雪」とタイトルを付けていた作品は他にも存在し、傘を持った女性を描いたモチーフが今でも根強い人気を誇っています。
今回、お買取した伊東深水の木版画は版元として有名な渡邊庄三郎が興した渡邊木版美術画舗から出版された木版画で、作品には「わたなべ」と平仮名の落款が入っていました。
作品の裏には「限定貳百枚中第五貳番」と旧字体表記となっており、現在の言葉に直すと200枚中52番というエディションナンバーという事になります。
この52番という数字ですが、52番目に摺られたものという意味に捉えられがちですが、そういうわけではなく、買取額にもこの数字は関係ありません。
買取額に影響が出てくるのは200枚という数字の方で、この数字は作品の発行された枚数を表しており、この数字が小さい方が発行枚数は少ないため、買取額も高くなる傾向にあります。
また、木版画は裏を見るとインクが染みているような状態になっているので、見分ける一つの方法です。
今回の買取では作品にシミや汚れ、日焼けなどはなく、とても綺麗な状態の伊東深水の作品という事でしたので高価買取で対応致しました。
作者の伊東深水は先ほどもお話に出てきましたが、美人画の名手として広く認識されていますが、実は美人画以外の作品を描きたいと思っていた頃もあり、花鳥画、風景画を残しています。
そんな伊東深水に描く美人画は理想化された女性の姿だけではなく、当時の社会を生きる女性の姿を捉えた部分に人気が集まり、モダンで品格のある美人画として今でも多くの人々から支持されているため、中古市場でも高い値段で取引されています。
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