今回お買取したお品物は、岡本太郎の掛軸です。
岡本太郎は神奈川県川崎市出身の芸術家で、漫画家の父、歌人・作家の母を持ち、書家の祖父は北大路魯山人の師匠という芸術家一家に生まれています。
岡本太郎は、幼い頃から頻繁に絵を描いていましたが、後に東京美術大学に進学しています。
その後、父が朝日新聞特派員としてロンドンへの取材に向かうと岡本太郎も同行して1930年にパリに到着するとそれから10年間はパリで過ごしており、この時にフランス語を学びつつ美学や民俗学も学んでいます。
その頃は芸術への迷いを払拭できぬまま過ごしていましたが、とある画廊でバブロ・ピカソの作品に大きな衝撃を受けたそうで、それからはバブロ・ピカソを超えるという道筋が見えるようになり、抽象画へ取り組むようになっています。
後にドイツ軍のパリ侵攻をきっかけに日本に帰国し、大日本帝国陸軍兵士として兵役についた後に東京都世田谷区にアトリエを構えると新聞に「絵画の石器時代は終わった。新しい芸術は岡本太郎から始まる」と宣言し、縄文土器論や沖縄文化論など発表しています。
1954年には東京都港区青山に自宅兼アトリエを構え、「今日の芸術」を執筆しベストセラーとなっています。
岡本太郎といえば大阪万国博覧会の「太陽の塔」でも広く知られています。
その太陽の塔は「とにかくべらぼうなもの作ってやる!!」という構想から生まれたとされています。
また、メディアへの露出も多いのでクイズ番組などで「芸術は爆発だ!!」と叫んでいる岡本太郎を見ていた人も多いのではないでしょうか?
そんな岡本太郎自身が書いた肉筆の掛軸お買取となりましたが、岡本太郎いわく「無心に楽しんで字を書いていると自然と絵になる」そうで、お買取した掛軸に書かれている「道」という字も躍動感を感じ、見ていると楽しくなってしまう素敵なお品物でした。