今回いわの美術では、三代歌川豊国の最中月色の草花という作品をお買取り致しました。
三代歌川豊国は1786年に生まれ初代歌川豊国に弟子入りした後歌川国貞として活躍します。
役者絵や美人画を得意とし、作品の数は歴代浮世絵師の中で最も多く一万点以上もの作品を製作したと言われています。
三代歌川豊国の作品について
嘉永六年(1853)に発売された評判記「江戸寿那古細撰記(えどすなごさいせんき)」の浮世絵師番付に「豊国にかほ(似顔)・国芳むしや(武者)・広重めいしよ(名所)」と記載があるように三代歌川豊国は、人物画に長けていました。
15歳~16歳で初代歌川豊国に弟子入りした三代歌川豊国は、22歳頃に美人画を描きはじめるようになります。
また、美人画を描きはじめた同じ年に小説家として人気の高かった滝沢馬琴が執筆した「不老門化粧若水」という作品の挿絵を担当するなど若きデビューから多数の作品に携わりました。
39歳で春本の挿絵を描き、3年後には役者絵も描きはじめるようになりますが、その作品は師である初代歌川豊国をも超えると評されます。
名所を得意とする歌川広重と合作した双筆五十三次と呼ばれる作品は現在でも評価が高く、
また、この頃の三代歌川豊国は画家の英一珪に弟子入りしていた事で英一螮という号で作品を製作していたのです。
江戸時代の天保年間に行われた天保の改革により風俗に規制が入り今までのような華やかな浮世絵の製作が一時行えなくなりますが、改正が緩和すると三代目歌川豊国は、今まで抑えていた描く欲求を吐き出し、以前よりもより精密で極彩な浮世絵を描きます。
三代目歌川豊国の作品の素晴らしさに感銘を受けて弟子入りする人も多く、歌川貞秀や豊原国周・歌川貞景など多くの浮世絵師が弟子入りしていました。
最中月色の草花
今回お買取りした作品は最中月色の草花という浮世絵です。
タイトルの最中月とは十五夜の夜の満月を意味している事から、十五夜の夜に月に照らされた草花を家族で見に来たような作風になっているのではないでしょうか。
また、こちらの作品は3枚つづりなのですが、今回は1枚少ない2枚でお買取り致しました。
弊社いわの美術では、三代目歌川豊国の浮世絵をお買取りしております。
コレクションされていた物や、蔵や押し入れに仕舞われている物、飾られている浮世絵などございましたら是非いわの美術までお問い合わせ下さい。
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