【二玄社 黄庭堅「寒山子龐居士」】寒山子龐居士 買取作家・取扱い一覧

二玄社 黄庭堅「寒山子龐居士」

二玄社 黄庭堅「寒山子龐居士」
作家名
黄庭堅

お品もの詳細

書道専門書の出版で知られる二玄社から発行された、黄庭堅の名作の一つ「寒山子龐居士」の写しです。

唐代の寒山と龐蘊の詩三首を書したもので、書画家である篆刻家としても20世紀に活躍した江兆申による解説書が添付されています。

書作品の鑑賞をさらに奥深く導いてくれる品物として、高評価でお買取りいたしました。



黄庭堅は宋の四大家に数えられる、中国書道史に残る名書家の一人です。

北宋前期の1045年に現在の江西省にあたる洪州分寧に生まれ、魯直(ろちょく)、山谷道人(さんこくどうじん)、涪翁(ふうおう)などの字(あざな)があります。

詩文を学び23歳で科挙に及第し進士となり、文治主義の北宋で官僚として確かな地位に就きました。

前半生は中央政府官僚として華やかな時代を過ごし、34歳の頃、蘇軾と出会い門下生となると蘇門四学士に数えられる存在となります。

しかし王安石ら新法派との対立から官僚としては後半生に不遇となり、49歳以降は四川省へ左遷、最晩年は宣州に流刑とまでなり61歳で亡くなりました。

名書家として長く評価されながら最晩年まで自らの力量に飽き足らず、鍛錬を重ねる求道者であり、時代が下り南宋の度宗の時代に再評価されると、名誉は回復し文節の諡がつけられました。



黄庭堅の書

官僚としての評価では躓いていた時期も、豊かな自然と穏やかな時間、老荘思想への傾倒などを経て精神を高い境地へ導き、書と詩をより深化させました。

さらに四川省の戎州滞在中には船頭の櫓の動きをみて、独自の折法を会得します。

書道の書き方のリズムともいえる折法は、王義之は二折法、一般的には三折法が正統とされますが、黄庭堅はより複雑な多折法を編み出しました。


黄庭堅の残した作品は書体により行書、草書に分けられ、さらに自作詩文、写し、書簡があります。

王義之を始点として顔真卿や楊凝式にも学び、独自の行書を編み出したのち、晩年にかけて草書に傾倒していきます。

とくに行書とは対照的である張旭・懐素に代表される狂草も極め、作品の内容と自身の心情に合わせて自由自在な書体で表現できる能書家となりました。

黄庭堅の草書作品には書簡の「諸上座帖」、「李白憶旧遊詩巻」があり、後者は京都の藤井斉成会有鄰館に所蔵されています。

現存する宋の四大家(蘇軾、黄庭堅、米フツ、蔡襄)の書簡は数が限られており、殆どが台北市の国立故宮博物館に所蔵され、黄庭堅の自詠の詩文である「松風閣詩巻」もここに収められています。

日本には他に「伏波神祠詩巻」が東京の永青文庫に収蔵されており、日本の禅宗に影響を与えたこともあり関わりの深い中国書家の一人と言えます。

 

黄庭堅の書作品・工芸画・複製のお買取りについて

黄庭堅ら宋の四大家をはじめ、中国の書道史に名を残す名書家の作品は、二玄社のような日本の出版社による複製版もありますが、中国国内でも多くの工芸画が作られました。

中国での工芸画は近年のものより1970年代頃までの古い品が高値で取引される傾向にあります。

また古い時代の書家であるほど、その後の時代の書家による臨書・拓本がある場合も多く、真筆が消失している王義之などがそうですが、臨書が高評価となる場合もあります。


同じ二玄社の発行による複製では、宋の書と並んで文人画、郭煕や茫寛の絹本複製画も人気があります。

いずれも発行元・発行時期・限定数量・状態・付属品・保証書などの添付有無によって評価が変わってまいります。

いわの美術では美術品・骨董品を中心にお買取りを行っており、書画にも精通した査定員が在籍しています。

ご売却をお考えの黄庭堅 書作品、書画、中国美術がありましたら、ぜひご一報くださいませ。

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