お写真のお品物は江戸時代中期に京で活躍した絵師・伊藤若冲の掛軸「雄鳥之図」で、京都府にお住まいの方からお譲りいただきました。
伊藤若冲は京の青物問屋の長男として生まれ、父の死後、家督を受け継ぎました。
稼業の傍らで本格的に絵を学ぶようになり、狩野派の門を叩き学んでいました。
しかし、自分自身の画を描きたいと思うようになると独学で画技を身に着けるようになりました。
その後、家督を弟に譲り、画業に専念するようになると自宅の庭で数十羽の鶏を飼い、その生態を観察する日々を続けました。
2年の歳月をかけ、ついに若冲にしか描けない花鳥画を完成させ、写実と想像を融合させた作品を展開し、「奇想の画家」として当時の文化人・名士録『平安人物志』の中で、円山応挙に次いで2番目に記載されるほど高名な画家となりました。
お買取りした作品からも若冲の技術力の高さがうかがえますよね。
今回は掛軸の状態も良く、鑑定書、共箱が紫檀という事もあり高価買取させていただきました。