画像の品は先日お買取りさせて頂いた志村立美の木版画です。
立美(たつみ)という名前のせいかよく女性と間違えられてしまうのですが、男性の方で本名を仙太郎といいます。
美人画で知られる浮世絵師 山川秀峰に師事し、彼の推薦を受けて挿絵での活動も行っています。
挿絵では昭和の挿絵第一人者として知られる岩田専太郎に並ぶほどの人気画家となり、挿絵の重鎮として活動していましたが、晩年は挿絵での活動を休止し、自身の本来の原点であった日本画、美人画へと回帰しました。
今回お買取りした木版画は志村立美の現代女性十二態シリーズで『 追羽根 』という作品です。
この木版画に描かれている女性、掲げている右手に羽子板が握られていますね。
追羽根(おいばね)というのは羽根突きのことで、正月に行われる羽子板遊びです。
美人画で知られる志村立美の作品の中でも特に有名な品で、こちらの『追羽根』は東京国立近代美術館にも所蔵されています。
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