今回、いわの美術がお買取したお品物は幸野楳嶺の掛軸です。
幸野楳嶺といえば多くの一流画家を育て上げた教育者として有名で、楳嶺四天王と呼ばれる菊池芳文、谷口香嶠、竹内栖鳳、都路華香などがおり、その他の弟子には川合玉堂、上村松園、5代清水六兵衛など第一線で活躍した画家や陶芸家などがいます。
幸野楳嶺が多くの弟子を育て上げる事ができたのは厳しく基礎教育を徹底して行い、基礎が出来上がると弟子の自由にさせていたそうです。
ある時は弟子が少し慢心していると感じた時は絵の批評を痛烈に行い、やや悲観していると感じた時はその出来具合に関わらず褒める部分を見つけるなどその手腕は実に見事なものであったそうです。
幸野楳嶺ははじめ円山派の中島来章に入門し学んでいましたが、中島来章の許しを得て、塩川文麟に入門し、20年間学びました。
その後、四条派、南画を学び、円山派の影響を大きく受けた四条派の画家が誕生しました。
幸野楳嶺は本名を直豊といい、号は楳嶺の他にも鶯夢、長安堂、青龍館、六柳北圃など多数あります。
お買取した掛軸は楳嶺の文字と落款が記されているものでした。
若干のシミや汚れはございましたが、貴重な幸野楳嶺の肉筆の作品という事もあり、高価買取で対応させて頂きました。
今回は、共箱、外箱が無く誰の掛軸だか分からないという相談を受け、お話しをお伺いする中で幸野楳嶺の掛軸という事が分かり、出張買取を行いました。