今回お買取したのは、骨董的価値もある錦絵です。浮世絵は歌舞伎、風景、美人、春画など流行を描いた風俗画で、その浮世絵の中の分類として錦絵があります。
浮世絵には、肉筆・版画がありますが、錦絵は、江戸時代に確立した木版の色鮮やかな多色刷りの浮世絵で、明治30年代頃まで多く描かれています。
今回お買取した錦絵は、江戸時代末期から明治時代にかけての浮世絵師 楊洲周延の「加藤清正 虎狩之図」です。
楊洲周延は、歌川国芳、三代歌川豊国、豊原国周の門人で、美人画に優れ、江戸城大奥の風俗画や明治開化期の婦人風俗画などを制作し、江戸浮世絵の再来と大変な人気を博した浮世絵師です。
お買取した楊洲周延は錦絵三枚続で、版元は網島亀吉となっており、明治20年頃の作品と思われます。
お買取の錦絵「加藤清正 虎狩之図」は、尾張の出身(現在の名古屋市)の戦国武将の一人加藤清正の有名な「虎退治」の武勇伝を描いた錦絵です。
加藤清正は、豊臣秀吉による文禄の役で朝鮮に出兵しますが、朝鮮の威鏡道で陣をとっていた際に、大虎に清正の小姓や馬が食い殺されてしまいます。
これに激怒した加藤清正が、虎狩りを行い、十文字槍で突き伏せたところ、槍先を噛み切られて片鎌となったが、かまわず清正はその片鎌の槍で大虎を退治したという逸話を描いたのが今回買取した錦絵です。
お写真の楊洲周延の錦絵は、経過年によるシミなどがみられましたが、骨董的価値も加味し、高価買取致しました。
いわの美術では、浮世絵、木版画浮世絵の錦絵などの買取を行っています。
浮世絵の買取査定では、浮世絵師や題材などにより買取評価も異なりますが、江戸時代のものは骨董的価値もあり、高価買取も期待できます。
また、木版画浮世絵は、大量生産できたため、肉筆の浮世絵と比べると買取評価が高くないこともありますが、現存枚数が少ないものや、著名な浮世絵師、版元である場合は、高価買取の可能性が高くなります。
~木版画の買取はこちらへ~