こちらのお品物は、現役100年超えのパワーを秘めた世界的な抽象画家 篠田桃紅によるリトグラフ『EPIGRAPH』です。
大正という男尊女卑の時代から自立したブレない生き方、年齢という枠にも囚われない思考は、数々の名言を生み出し多くの支持を集めました。
そんな篠田桃紅が「百万の言葉よりも1本の線で伝えたい」と真剣勝負で描いた線は常識を打ち砕くエネルギーで溢れています。
作品タイトルは観る人の想像を限定してしまうことから、本来付けていないそうですが、タイトルがないとどの作品のことか分からないことから、番号的に実用的に付けているそうです。
篠田桃紅 (しのだ とうこう)
篠田桃紅は大正2年(1913年)、旧満州で父親が煙草会社の支店長である裕福な家に生まれました。
東京に移住し、幼少の頃から厳格な父親により中国と日本の書道を叩き込まれます。
女学校を卒業したら親の決めた見合い相手に嫁ぐのが当然の時代に「くじびきみたいな結婚なんて、とんでもない」と、22歳で書を教え始め自分で生計を立てました。
父親は「必ず結婚するように」と遺言を残していますが、果たされないままです。
書道という枠を超えて、抽象的な表現が始まったのは戦後の30歳半ばの頃でした。
ただ字を書いていることがつまらなくなり、好きなものを書いて好きなように発表するようになります。
篠田桃紅の作品は海外で人気が高まり、アメリカで作品を出す招待を受けたことから1956年43歳で渡米しました。
数々の展覧会を開催し名を馳せましたが、墨には日本の湿度と風土が必要不可欠であることも再認識します。
それでも 抽象主義絵画の全盛期であったアメリカでの2年間は、さらなる表現の開放へと繋がりました。
無駄を極限まで削ぎ落とし、墨の濃淡・ぼかし・にじみ・重なりの中で見える表情は、哲学的で無限の可能性を秘めています。
日本で制作し、アメリカを中心にフランス、香港、シンガポール、中国、イギリス、イタリア、オーストラリアでも個展などの活動をしました。
海外での評価のほうが目立っていたのですが、2000年頃から日本での知名度も上がり、100歳を超えてもなお現役の画家です。
名言
篠田桃紅はその生き様が格好いいおばあちゃんであると、近年ファンを増やしています。
著書『103歳になっ てわかったこと 人生は一人でも面白い』は50万部を超えるベストセラーとなり、テレビにも度々登場しました。
その中で数々の名言を残しています。
43歳で渡米して、そんな年齢でと周囲が驚いた件では
「私は人生というものを、トシで決めたことはないです。」
「年甲斐もなくとか、いいトシをしてとか、よく言いますね。そもそも、トシというのは、一体、いつからが、いいトシなんでしょう。」
未婚の件では
「(既婚者の)周りの友人を見ても、良いとも悪いとも思うので、人間は何が1番いいのかいまだに分からない。」
「女の人はひとりで生きてたらかわいそう、だなんて、とんでもないわよね。」
「うぬぼれているんですよ、日本の男の人って。自分たちは(女性を)幸福にできる力があると思っている。」
その他、
「規則正しいという生活は何をもって正しいのでしょう?」
「日本人は心配性なのか楽天的なのか、誰かがなんとかしてくれると思ってしまっている。」
など、反響の多い名言を残しています。
アート以外でも尊敬を集め、「常識からは何も生まれない。創造とは無縁です。」と墨で無限の世界を追い続ける篠田桃紅は、まさに生きるレジェンドであり唯一無二の作家です。
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