山本容子の銅版画『smile』はチャーリー・チャップリンが映画の為に作曲したジャズ音楽『スマイル』とのコラボとして制作されました。
何度がんばってもうまく行かない人生に失望する女性を、男性が励まし また一緒に歩み出すというラストシーンに流れる曲です。
山本容子の『smile』は映画の名シーンをお洒落にコラージュして歌詞が全面に描かれており、まるで音楽が流れてくるような心地よい作品となっています。
山本容子
山本容子は埼玉県生まれ、大阪育ちの銅版画家です。
コンクールなどで賞を取ることよりも人々の目に触れることを重視し、本のイラストなどの仕事を積極的にこなしファンを増やしました。
そうした取り組みは専門家偏重であった日本の芸術界に一石を投じています。
美術に関する講演会やメディアでの活動も積極的に行い、資生堂CMやベストジーニスト賞受賞など、女性が憧れるような素敵な女性です。
近年ではモザイク壁画やステンドグラスなどのパブリックアートも制作し、東京メトロ副都心線新宿三丁目駅、横浜駅西口地下街、鉄道博物館、帝京大学板橋キャンバス、ホテルニューオータニ大阪を始めとする多数の作品を発表しました。
自身の父の死をきっかけに『アート・イン・ホスピタル』に関心を持ち、病院にいる人たちの心を温かくし『治る力』を引きだしたいという思いを込めて、愛知県の中部ろうさい病院に2点の天井画、和歌山県立医科大学附属病院に2点の壁画を描いています。
映画音楽『スマイル』
チャーリー・チャップリンが監督・出演・脚本・作曲した喜劇映画『モダン・タイムス』(Modern Times)(1936年)のラストシーンに流れる悲しげな曲で、チャーリー・チャップリンが作曲した中でも特に人気です。
『モダン・タイムス』はほとんどセリフがなく、音楽と効果音が入ったサウンド版のモノクロ映画であり、曲には歌詞がないどころか曲名さえありませんでした。
その後1954年に『スマイル』という曲名と励ますような歌詞で、ナット・キング・コールが歌い再び人気となります。
アメリカを20年間国外追放となっていたチャーリー・チャップリンが、再びアメリカの地を踏んだ第44回アカデミー賞授与式(1972年)において、会場のゲスト全員でこの『スマイル』が歌われました。
その後も名曲として非常に多くのアーティストにカバーされており、マイケル・ジャクソンやダイアナ・ロスは特に有名で、日本ではMISIAや槇原敬之などが歌っています。
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