今回お買取したお品物は、オレフォスのフラワーベースです。
オレフォスは、スウェーデンを代表するクリスタルガラスメーカーで、オレフォスのグラスは、ノーベル賞の晩餐会などでも使用されていることで知られています。
そんなオレフォスですが、現在の芸術性溢れる作品からはイメージが沸きにくいのですが、ガラス業を展開する前は鉄工所だったそうで、ガラス事業をスタートしたばかりの頃はジャムの容器や窓ガラスを製造していました。
後に経営者が変わり、エドヴァルド・ハルドとサイモン・ガーテという2人の画家を雇用したことが転機となり、この2人の画家の活躍が現在のオレフォスの礎となっているといわれています。
独自のスタイルでユニークな作風で知られるようになった後にヴィッケ・リンドストランドやエドヴィン・エーストロムなどの芸術家も加わり、より大きな進化を遂げると、パリ万国博覧会などで国際的に高く評価されます。
それからは、世界的に通用するガラスブランドとして認知され、トップクラスの芸術家や専属デザイナーなどの手により、新たな作品が世に送り出されています。
オレフォスには、グラール、エアリアル、アリエルなどの技法がありますが、今回お買取したオレフォスのグラスには、手吹きで膨らませたガラスに、グラインダーなどで絵や文様を彫り、その上から様々なガラスを被せると気泡が出ているようにも見えるアリエルという技法が使われています。
また、お買取したオレフォスのフラワーベースの作者は建築家のエドヴィン・エーストロムで、目立つ傷があったのは非常に残念でしたが、そのキズを払拭させてしまうほどインパクトの強い作品で、なぜか見入ってしまう素敵なお品物でした。