今回、いわの美術がお買取りしたお品物はペリカンの万年筆1931リミテッドエディションです。
ペリカンはスイスに本社を置く文具メーカーで、1832年にドイツのハノーバーで絵具を生産する事業から始め、インクメーカーとして発展してきました。
1878年にペリカンで製作した製品の品質を保証するために、当時のヨーロッパでは珍しい商標を登録し、モチーフに古来よりヨーロッパで親しまれている母性愛の象徴と経営者の1人、ギュンター・ワーグナーの家紋であったペリカンの親子像を起用しました。
ペリカンが万年筆を最初に発表したのが1929年で、その2年後に最初に発売された万年筆をベースにリング部分に金を使用した重厚感溢れる万年筆を発表しました。
お買取りしたペリカンの万年筆はその時発売されたモデルの復刻版で1997年に製造本数が5000本で、日本国内ではそのうちの300本が販売され、保証カードとシリアルナンバー付で発売されました。
ペン先はピストン吸入式のBタイプで太字のものを起用し、キャップはセルロイド、首軸、尻軸はエボナイトという当時の素材と同じものを使用し、キャップには歴史あるペリカンのマークが彫り込まれ、リング部分の金だけが当時はK14だったのに対して復刻版はK18となっており、その価値が高められコレクション性を全面に出したお品物でした。
お買取りしたお品物には保証カードは付いていませんでしたが、未使用品で綺麗な状態で保管してあったため、高めの金額でお買取りさせて頂きました。