今回、いわの美術がお買取したお品物は、シェーファーの万年筆アジアシリーズで、世界限定250本で1997年に発売されたものです。
アジアをテーマにボディには細かい描写で彫り込まれた竹がなんともオリエンタルな雰囲気を持っており、東洋と西洋の伝統・革新・繊細さが融合した限定品で、発売してからすぐに完売してしまった事から「幻のアジアシリーズ」と呼ばれています。
このシリーズはシェーファー社が買収されたため、アジアシリーズと言われていますが、このデザインのみで終了している事も「幻」と言われている所以です。
シェーファー社はアメリカの高級筆記具ブランドで、このアジアシリーズはマレーシアの企業ロイヤルセランゴールの技術が凝縮された万年筆です。 ロイヤルセランゴールは、世界的ピューター(錫と鉛の合金)のメーカーで、金属なのに温かみを感じる事ができるのが特徴です。
ピューターは、イギリスなどのヨーロッパ各国では馴染みの深い合金で、ゴールドやシルバーに次いで3番目の地位を獲得しています。
また、このアジアシリーズは、シェーファー社の万年筆のシルエットを採用せず、1920年代に流行した直線的なフォルムが特徴で、アンティーク万年筆の雰囲気も兼ね備えています。
ペン先は18Kを使用しており、ニブのデザインも洒落ています。
木製の専用ボックスには保証書とコンバーター・カートリッジが付属しており、古きよき時代のアメリカを感じる事ができます。