今回、いわの美術がお買取りしたお品物は端渓硯で、中国の代表的な硯として知られています。
使わなくなった書道具の処分をしたいという事で、お電話を頂き、硯の他にも筆や半紙、画仙紙などもお譲り頂きました。
中国の硯には今回お買取りした端渓硯(たんけいけん)の他にも澄泥硯(ちょうでいけん)、歙州硯(きゅうじゅうけん)など有名な硯がございますが、端渓硯はその中でも墨をするために必要な鋒鋩(ほうぼう)と呼ばれる目に見えない細かい凹凸の品質が良いと多くの書家に愛用されている硯です。
端渓硯は採掘される坑道によってランク付けがされており、代表的なものには老坑、坑仔巌、麻子坑、宋坑などがあります。
その中でも老坑、坑仔巌、麻子坑の3坑に関しては年々、採掘される量が減ってしまい、資源保護のために現在では採掘が中止されており市場に流通する量が極端に減ってきている事から稀少価値が上がっております。
また、老坑硯と認められるのは厳正な検査を受け、老坑管理人が世に出すことを認めた原石のみが硯として作られ、検査の段階で認められなかった原石は全て破棄されています。
しかし、この破棄した原石を拾って端渓老坑の硯として売りに出されている事もあり、購入する時は信頼のおける場所での購入をお勧め致します。
今回お買取りした端渓硯は老坑で採掘された原石を使ったもので、老坑の一定の範囲から採掘されたものは「水巌」と称す事が多く、お買取りした硯は「水巌」の硯でした。
そして、石眼と呼ばれる淡緑色の斑点など丸みを帯び中に芯円を持つものが見られ、これは原石の段階では石眼があるかどうかは分からず、硯にするときに彫っていく事で現れ、それを利用して彫刻されるものがほとんどで、今回は石眼を梅に見立て、鶯が梅の木で遊んでいる様子が彫刻されたお品物でした。
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