写真のお品ものは、いわの美術でお買取りいたしました歙州硯(きゅうじゅうけん)です。
中国四大銘硯の一つに数えられる歙州硯は、中国四大銘硯のなかでも端渓硯に次ぐ品質と人気ですが、採掘期間が短く流通する量は端渓硯の5%ほどとも言われる希少品です。
10インチを超える大きさと4キロの重量、豊かな水田を思わせる水牛が彫刻された逸品となっています。
歙州硯とは
江西省婺源(ぶげん)県歙渓(きゅうけい)(旧地名:安徽省黄山市歙県(昔の歙州))にある、竜尾山・羅紋山などで採掘されていた石を原料としています。
歙州硯は唐代にすでに有名となっていましたが、北宋時代には良材が枯渇したと伝えられています。
うすい紋をもつ粘板岩で石の密度が高く比重も重いため、叩くと金属質の音がすることも特徴です。
歙州硯の石紋
歙州硯は石密度だけでなく紋様も二大中国銘硯として肩を並べる端渓硯と大きく異なります。
魚子紋は小さな魚が泳いでいるような点描模様、眉子紋はもっとも人気で眉のような緩いアーチが幾重にも見られます。
水波羅紋は水面に広がる波紋のようで、これら3種の石紋は歙州硯の中で墨を磨りやすく実用・鑑賞の両面を満たします。
その他、金色の輪が多数あるものが金環、点で生じると金星と呼ばれ、磨墨の面では前述3種に満たなくとも美しい硯面で愛好されてきました。
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