こちらは以前お買取りさせて頂いた茶壺です。
茶壺は中国茶において急須の役割となります。
日本茶に用いられる急須よりも小振りで、元々は書道に用いる水差しだったという説もあります。
こちらの茶壺は裏に落款があり「鐵(鉄)画軒製」と書かれていました。
鉄画軒というのは戴国宝により設立された会社で、鉄画軒自体は現在も上海豫園で土産物屋として営業が続けられています。
創始者である戴国宝は書画の心得と、ダイヤモンドで陶磁器に彫刻をする技術を持ち合わせていました。そのため多数の陶工と契約をし、協力して制作を行っていたようです。
茶壺では品物の裏(底)部分以外にも落款や銘を入れている場合があり、見慣れていない方ですと落款を見落としてしまうことがあります。
お買取りさせて頂いた茶壺では裏(底)部分と、取っ手の下辺りにありました。また蓋裏(蓋の内側)や胴体に施されている場合もあります。