今回、いわの美術がお買取りしたお品物は象牙の置物で、山岳風景を背景に人物が4名ほど彫られ、余すとこなく緻密に彫られている作品でした。
象牙は材質が硬すぎず、柔らか過ぎずという彫刻をするには最適の材質として中国では多くの美術品が作られてきました。
昔は象牙の輸入に規制はかけられていませんでしたが、象牙を採取するにあたってゾウの乱獲が起こり、現在ではワシントン条約によって象牙の輸入が禁止されているため、現存する象牙や象牙の彫刻品などの美術品の価値が上がっています。
お買取りした象牙の置物は、珍しく彩色されているお品物でした。
基本的には象牙の彫刻品は象牙特有のアイボリー色の美しさをそのまま生かすのですが、お買取りした作品では、象牙の美しさを邪魔することなく必要な部分にだけ彩色されていました。
あまりにも緻密に彫られているため、武器などの細い部分や天女の波打つ衣などが折れてしまったり、欠けている部分もございました。
また、保管場所が悪かったのか所々にヒビ割れが起きており、決して良い状態とはいえませんでしたが、見事なお品物であったため、お買取りをさせて頂きました。