今回、いわの美術がお買取りしたお品物は花台付花文様花瓶で底面には「大清宣統年製」という文字が書かれていました。
この「大清宣統年製」という言葉は、清朝第12代皇帝の宣統帝の時代に焼かれた官窯品という事を示しており、宣統帝はラストエンペラーと呼ばれる愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)の事で、何千年も続いた中国皇帝統治の歴史に終止符を打った最後の皇帝です。
そのため清朝崩壊の危機の中、混乱した国では真剣に陶磁器製作を行うものが少なく、大清宣統年製と書かれた作品には雑な作りが多く、景徳鎮官窯黄金期であった乾隆帝時代の作品と比べると、その頃に開発された技術を模倣した作品がほとんどです。
今回、お買取りした花台付花文様花瓶は、びっしりと様々な花が1つ1つ丁寧に描かれており、下地の金が華やかさを更に演出しています。
花瓶の縁には金彩が施されており、側面とは違ってとてもシンプルな作りになっています。高さ49㎝ほどの花瓶で、細工が施された花台がついてのお買取りとなりました。
傷や絵付けの欠けもなく、とても良い状態でお買取りをさせて頂きました。
大清宣統年製と書かれた中国の焼き物には近年に造られたレプリカ作品も多くございます。 v中にはオリジナルよりも質が良い場合もあり、オリジナルを超えたお値段で取引されている事もございます。
大清宣統年製のオリジナルは高台に砂が付いた雑な仕上がりであったり、「大清宣統年製」の文字が完全に画一化された面白みのないものが多い中、陶工一人一人が自由に書いたであろうのびのびとした文字が見られます。
お写真とは違う「大清宣統年製」の文字であれば宣統帝の時代に焼かれた焼き物の可能性が高くなります。