今回、いわの美術がお買取りしたお品物は煎茶碗で底面に「大明成化年製」と書かれた物でした。
染付も上品で、使われている材料や絵付けの筆致を見てみると大明成化年時代に焼かれたものとして判断し、買取を行いました。
大明成化年製の銘のある焼き物は、中国の明中期の成化年間(1465~1487)に景徳鎮の成化という釜で焼かれた製品に書かれているものです。
日本の古伊万里と呼ばれる時代に焼かれた焼物にも「○○年製」と書かれたものがございますが、これは中国で焼かれた焼き物を手本として写しを行っていたため、銘も一つの模様と捉えた結果、日本の古伊万里にも「○○年製」と書かれた焼物が作られていたのです。
日本の古伊万里と中国で焼かれた物を判断するにはかなりの鑑定眼が必要となってきます。
今回のお買取りでもこの煎茶碗の価値が分からず、買取額を提示した時にその金額にビックリされていました。
ちなみに中国の煎茶碗は蓋付と蓋なしがあり、蓋付を「蓋碗(がいわん)」、蓋なしを「茶杯(ちゃはい)」と呼び分けがされています。
日本の湯呑みと違って、薄づくりの磁器で出来ているのが特徴で、大きさも掌サイズと小ぶりとなっております。
また、「○○年製」と書かれた煎茶碗は本場中国でも多数の偽物が出回っております。
偽物はわざと汚して売られていたり、高台に砂をつけて焼かれたり、それらしく見せかけているのが特徴で、分かりやすい物は素人が見ても判断する事ができます。
もし、価値の分からない煎茶碗をお持ちでしたら、高価買取となる可能性のある煎茶碗かもしれませんので、煎茶碗の買取実績のある、いわの美術までお気軽にお問合せ下さい。