今回、いわの美術がお買取りしたお品物は牛黄です。
牛黄(ゴオウ)は漢方薬・生薬の一種で、牛の胆嚢などにできた結晶の事で、簡単に言うと胆石という事になります。
また、牛数千頭に一頭の割合でしか発見する事が出来ない大変貴重な生薬なのですが、近年では牧場の衛生管理の向上によって胆石を持った牛が少なくなったため、牛黄は更に貴重な生薬として高値で取引されています。
しかし、貴重で高価な生薬という事でウコンを練り固めたもの、白泥に牛の胆汁を混ぜて作った偽物が出回っており、もちろん偽物は買取る事ができません。
牛黄の形は約1cm～4cmの不規則な球形、または角がとれたサイコロのような形をしている事が多く、赤みがかった黄褐色をしており、持ってみると意外と軽いのが特徴です。
牛黄は産地によって品質にランク付けがされており、オーストラリア・アルゼンチンなどの南米産は高品質とされており、高価買取が期待できます。
また、良品といわれているものは、発色のある黄色にやや赤みと褐色がかかっており、鼻を近づけるとほのかな香りがあり、口に含むと軽い苦みの中に甘みを感じます。
牛黄の薬理作用として、血圧降下作用、解熱作用、低酸素性脳障害保護作用、鎮痛作用など様々な薬効が挙げられますが、まだまだ解明されていない部分が多い生薬です。
現在では2000年のBSE(狂牛病)の影響によって牛などを由来とする医薬品は完全な安全性を証明した書類を揃えていないと薬品メーカーや薬局、病院は購入しないように厚生労働省が指導しているそうです。
そのため、正真正銘の牛黄だけれど、書類をそろえる事が出来ない場合などは、いわの美術にご相談頂ければ今回のように買取る事ができます。
今回は布袋や外箱付で、観賞用として所有していた牛黄を買取らせて頂きました。
