こちらは以前お買取りさせて頂きました粉彩画です。
粉彩(ふんさい)というのは陶磁器の上絵技法の一つで、中国の清時代にヨーロッパの七宝技術を応用して開発されました。粉彩ではこれまでの五彩技法では難しかった濃淡を表現するぼかし技法も可能となり、色数が増加したことで以前よりも細密で軽やかな絵付がなされるようになりました。
作者の程十髪(ていじゅっぱつ)は上海市松江県の出身で、上海市美術専科学校国画科で絵を学びました。卒業後は美術出版社にて創作幹部を任じられ、その後は1956年より上海中国画院で画師となります。
後進の育成にも尽力した程十髪は細筆を巧みに用いて、人物画、花鳥画、山水画などを得意としました。
写実風の画風によって、古典人物や仕女、鹿や鳩を多く描いています。作風は陳洪綬(ちんこうじゅ)、任頤(じんい)などの影響を受けていますが、独自の工夫を凝らし、独特の風格が備わっています。
外国でも個展を数多く開催し、様々な賞も受賞しています。また日本での個展、展覧会歴もあります。
いわの美術では程十髪の作品をはじめ、中国美術の買取も行っています。人気の高い作家であるために贋作もありますが、気になるお品物がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。