お写真のお買取したお品は、ご仏前専用手織り段通「龍村佛寶座(仏宝座)」です。
お買取した龍村佛寶座は、お着物をお召しになる方ならば、誰しもがご存知の京都の織元「龍村美術織物」の逸品です。
龍村美術織物は1894年に初代・龍村平藏のよって創業された老舗で、初代は古代裂復元の第一人者として広く知られ、名物裂、上代裂、コプト裂など様々な織物の研究と復元に尽力した事でも有名です。
創業当時から「創造」「復元」「美的感覚」を理念とした美術品ともいえる高い技術力をもつ龍村美術織物ですが、フランスの高級ブランド・クリスチャン・ディオールが龍村美術織物の生地を使ってドレスを制作したことで、世界的にも有名なブランドとして知られています。
今回買取した龍村美術織物のお品は佛寶座というものですが、これは仏壇(御仏の面前)の前で使用する手織り緞通(敷物用織物)です。
佛寶座には、尊い仏様である十三佛が、仏を表す神聖な文字”梵字”で織り込まれています。十三佛は、それぞれ異なる徳を持ち、宗派にとらわれず広く信仰されており、この世に生きる私たちの御守本尊です。
十三佛は、江戸時代に日本で考えられた仏様で、冥界の審理に関わる十三の仏閻魔王を初めとする冥途の裁判官である十王と、その後の審理である七回忌(阿閦如来)・十三回忌(大日如来 )・三十三回忌(虚空蔵菩薩)を司る裁判官の仏で構成されています。十三佛のうち、八仏が十二支の守り本尊となっています。
買取の龍村佛寶座の上部には「南無阿弥陀仏」とあり、十二支のうちの龍が「宝珠双龍文」として織り込まれています。宝珠双龍文は、守り本尊の龍が珠を争う「双龍」の姿を四方に配した、荘厳で堂々たる図柄です。龍村美術織物の龍村佛寶座は、100%絹糸使用で、熟練の技術者が丁寧にひとつひとつ織り上げた、肌触りの良い高級手織り緞通となっています。
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