古来、日本で用いられてきた横笛には、神楽笛・高麗笛・篠笛・龍笛・能笛・明笛等がありますが、今回お買取致しましたのは、お写真の俣野眞龍作の篠笛です。 篠笛というのは、篠竹という細めの竹で作られた横笛で、日本の横笛の中でも、最も素朴なつくりで、お祭や民謡、三味線とともに主に庶民の笛として親しまれてきました。
お買取した俣野眞龍の篠笛は、細く挽いた籐を巻き、その上に漆を塗った藤巻のお品です。藤巻にも天地巻と総巻がありますが、今回お買取した篠笛は、管頭部と管尻部に加え、唄口から第七指穴間、各指穴間にも籐を巻いた籐総巻の篠笛です。
日本は四季があり、気温や乾湿の変化が大きいため、その変化から笛の管の割れを防ぐために、籐を巻き漆で固める「藤巻」という日本独特の工夫が生まれたとされています。
またお買取した篠笛は、お写真の篠笛の歌口側の端「管頭」に漢数字で書かれているように、最もよく用いられているという六本調子のお品です。これくらいの長さが大人の手の大きさに程よいとされ、指穴も押さえやすく、音色・音域のバランスも優れているのだそうです。
今回お買取した篠笛は、俣野眞龍の篠笛丸山の作品で、京都で220年以上も受け継がれている一子相伝の篠笛です。
こちらの篠笛には、本漆が用いられ、銘器「丸山」として全国の篠笛奏者に愛用されています。銘器を生み出してきた由緒ある笛師 俣野眞龍の篠笛ということで、高価買取にてお譲りいただきました。
いわの美術では、骨董品や美術品だけでなく、今回お買取のような横笛や笙などの雅楽器、太鼓、琴、三味線など様々な和楽器の買取実績も豊富です。