こちらのお写真は、先日お買取しました雅楽で使われる和楽器の「笙」です。
和楽器の中でも、お琴や三味線と違って、笙は一般的には馴染の少ない楽器かもしれませんが、趣味やお寺の関係などで演奏する人口は意外と多いそうです。
雅楽の演奏は、笙、篳篥、龍笛という三管を中心に行いますが、その一つである笙は、曲の流れをリードする役割があり、天に立ち昇るような透きとおった音色が特徴とされています。笙は伝説上の鳳凰が翼を休めている姿になぞらえて鳳笙ともよばれます。笙は中国の笙(Sheng)が伝来したものですが、その祖先はタイやラオスのケーンなどと同じ系統であると考えられています。
笙には、17本の長さが違う竹が円形に並べられ、根元に金属製のリードがついており、その下にある歌口から息を出しいれすると、リードが振動し指孔を押さえることにより発音するという仕組みです。笙の管の長さと音程には直接関係はなく、吹奏前に必ず火鉢などで暖める必要があるという、他の楽器にはない特性があります。
今回お買取した笙は、竹管部分には一般的な白い竹でなく、質の良い爆竹が使われており、すっきりとした端正なフォルムの逸品です。
また、買取査定時には、色落ちなどがみられる部分もございましたが、笙の頭の漆器部分には、素晴らしい秋を表現する紅葉などの蒔絵が施され、工芸品的価値も高い名品といえるお品でしたので、高価買取にて対応させていただきました。
笙には、プラ管とよばれる、頭、根継ぎの部分がプラスチックで出来ている安価な笙もあり、プラ管よりも素竹(白い竹)、素竹よりも茶色い煤竹のものが高級品とされます。それ以外にも、黒く色づけされた煮竹や、人工煤竹、染め竹、元々黒い竹で作られた楽器などがあり、一見しただけでは判断が難しく、買取の際は見極めが必要です。
また、竹管がばらけないように束ねている輪の部分を「帯」いいますが、その帯も純金や銀、真鍮などグレードがあり、中には竹をあしらった彫刻がされているものもみられるなど、買取査定の際には様々な評価ポイントがございます。
いわの美術では、年間多数の和楽器の買取実績を誇っており、これまで何度も様々な笙の買取経験がございますので、笙などの和楽器をご売却の際は、安心して弊社までご相談ください。和楽器の買取経験豊富な買取専門スタッフが、お品物の価値を見極め、市場需要なども含めて適正な買取評価を致しております。買取査定は無料ですので、お気軽にお電話・メールにてお問い合わせください。
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