今回いわの美術がお買取したお品物はミントンのハドンホールというシリーズのカップ&ソーサーで5客セットでの買取となりました。
ミントンはイギリスの陶磁器ブランドで銅版転写技術を応用して金彩を豪華に使用している事で知られ、「世界で最も美しいボーンチャイナ」としてヴィクトリア女王から賞賛を受けています。
銅版転写の彫刻師であったトーマス・ミントンが設立した陶磁器ブランドという事だけあり、芸術性と装飾性に富んだ作品を展開してきました。
息子が受け継いだ際は生産性を高め、大理石のような美しさを持つ「バリアン陶器」、金を腐食させて模様を作る「アシッド・ゴールド技法」などを生み出し、陶磁器の世界に革命をもたらしました。
さて、今回お買取したミントンのカップ&ソーサーはハドンホールというデザインで、ハドンホールとはデザイナーのジョン・ワズワースがイングランドの古城ハドンホール城の壁に掛けられていたタペストリーのモチーフからヒントを得て発表したもので、ミントンのイメージを大きく変えるものだったそうです。
パンジーやパッションフラワーなど多くの花が描かれ、約12色の色が使われている事もハドンホールのカラフルで華やかなイメージを演出しています。
今回は使用感もなく人気のミントンのハドンホールという事で外箱はありませんでしたが買取を行いました。
ミントンのハドンホールは制作当初ピンクやグリーンを基調にしたカラーとブルーやレモン色を基調にしたカラーの2つの案が出されていたようですが、44年後にデザイン画が発見され、ブルーのものはハドンホールブルーとして制作・販売が行われています。