こちらは以前お買取りさせて頂きました、リュージュのオルゴールでボックス型のシンギングバードです。
いわの美術では過去にボックス型の品以外に鳥籠を模したオルゴールのシンギングバードのお買取りも行っています。
シンギングバードは「さえずる宝石」とも呼ばれ、約200年ほど前にスイスの時計職人の手によって考案されました。
ヨーロッパでも人気を博したシンギングバードですが、19世紀に入ると中国の皇帝もこれを愛し、貴族たちの間でも大流行の品となりました。
今日までその技術が伝えられている伝統工芸品ですが、伝統的な工法でシンギングバードを制作しているのは現在ではドイツのシンフォニオン社(Symphonion)と、スイスのリュージュ社(Reuge)のみとなっています。
今回お買取りしたシンギングバードはリュージュ社の品です。
このボックス型のシンギングバードは中央の丸い蓋が開くと小鳥が飛び出してきて、羽根やクチバシを震わせながらさえずります。
シンギングバードを手掛ける職人は実際に山奥で小鳥の鳴き声を聴きに行くそうで、音の調節の際には本物の鳥の鳴き声に近付くよう調整されます。
華麗な動作と美しい鳴き声はまるで本物の命を吹きこまれたかのように見えます。