今回、いわの美術がお買取りしたお品物はモーゼルのデキャンタでマハラニというシリーズです。
マハラニは1985年に誕生したデザインで、インドのアリラジャプール回教君主の名が由来となっており、完全なバランスと優美なシェイプ、更にはカッティング、エングレーヴィング、ゴールド装飾など、モーゼルの装飾技法を余すことなく用いて作られた不朽の名作と言われています。
モーゼルはボヘミアガラスを代表するガラス工房で、1857年ルードウィック・モーゼルによって設立されました。
モーゼルでは、400人ほどの従業員と20人の職人によって制作を行っております。
木型成型からカット、エングレーヴィング、サンドブラストなどの加飾まで全て手作業で行われ、各製品の工程は3人制で、ガラスを吹く人、形作る人、台をつける人といてその順に熟練度が増しているそうです。
こうして作られた製品はブランドの品質低下を防ぐ為に厳しい製品チェックを行い、世の中にモーゼル製品として送り出されるものは全体の40%で、残りの60%はもう一度溶かされ、新製品に生まれ変わるそうです。
製品化されないガラスを再利用できるのは、鉛を一切使わないガラスを使っているモーゼルならではの取り組みです。
お買取りしたモーゼルのマハラニのデキャンタは、使用した時にできた傷が何か所かありましたが、外箱がついておりましたので、高価買取で対応させて頂きました。