今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、ノリタケの明治期から戦前までに作られていた古い時代の陶磁器、オールドノリタケの飾り皿です。
裏のバックスタンプから、1933年頃から1943年頃までの間に制作されたもので、日本国内向けに作られたお品物でした。
ノリタケは1904年に設立された陶磁器メーカーで、「日本でも美しく精緻な磁器を作りたい」という創業者の思いから、海外輸出を目的として陶磁器制作を開始しました。
様々な試行錯誤を重ね、1914年に日本初のディナーセットを作り上げ、アールヌーボー、アールデコ様式を取り入れ、金彩や盛り上げの技法を使った美しく豪華な陶磁器は「ノリタケチャイナ」の名で世界中で親しまれるようになりました。
当時のノリタケでは、画帳を制作し、制作した陶磁器のモチーフや絵付け、造形を描きとめ、リピーターにも対応できるよう、日本人ならではの知恵と心遣いが人気の秘密だとされています。
お買取りしたオールドノリタケの飾り皿は、直径が約36cmほどで、平面ではない皿というキャンバスの上に、紅葉の始まった木々たちを見事い描きあげており、当時のペインターの技術力の高さを伺う事ができます。
ノリタケは陶磁器制作当初、25cm以上の大皿の底を均等に作る事が出来ず、思い悩んだ時代がございました。
お買取りした飾り皿は、その苦難の時代を乗り越え、制作されたお品物です。
少し、傷などがございましたが、古い時代に作られたものにしては良い保存状態でお買取り致しました。