今回お買取した作品は、洋画家桜井孝美(櫻井孝美)の「春爛漫」と題された富士山を描いた油彩画です。桜井孝美は、富士山に魅せられた画家として知られています。
桜井孝美は1944年生まれで、日本大学芸術学部を卒業後はしばらく、山梨県庁職員として工業デザインを手掛け、洋画家の登竜門とされる昭和会賞、安井賞などを次々と受賞しました。
桜井孝美は、家族や花などの身近なものをテーマした作品も描きますが、ライフワークとして描き続けているのが富士山です。
世界で最も美しい山のひとつである富士山は、その雄大な姿が古来、庶民の信仰や絵画、文学など数多くの作品に描かれる芸術の対象として、日本人と深く関わってきましたが、桜井孝美の描く富士は、富士山が持つ生命力がそのままキャンパスに宿っているような、エネルギッシュで、個性的な温かさに包まれています。
桜井孝美は「私は山の存在そのものに人知の及ばない自然への畏怖を感じている。敬意・憧れ・祈り・恵み・喜びなど人間としての尊い感情が湧いてきます」と、 富士山に対する熱い想いを語っています。
富士山のあまりの偉大さに10年間は富士を描くことができなかったという桜井孝美ですが、ついには、奥さんの実家である富士吉田に移り住み、現在も富士吉田のアトリエで独自の感覚にあふれる富士山を描き続けています。
今回お買取した桜井孝美の「春爛漫」は、富士山と桜と海と空が、鮮やかな色彩で勢いよく描かれた、力強い作品です。 桜井孝美は遠近法を用いず、立体的にも描かず、その作品は抽象具象画であるともいわれています。
大胆な構図の中に、対象となるモチーフの真髄だけを引き出し、真っ白な富士山が真っ赤に自由闊達に描かれています。溢れんばかりの愛とエネルギーに満ちた素晴らしい作品をお買取させていただきました。
いわの美術では、桜井孝美の富士山の油彩画作品の買取を強化しております。いわの美術では、美術品の深い知識を有する専門の買取査定士が、しっかりと作品を見極めて、適正なる買取評価を行っております。携帯電話で撮影した写真を送るだけの無料オンライン査定も致しておりますので、お気軽にお問合せください。
