今回お買取させていただきました作品は、塗師祥一郎の肉筆油彩画 「雪の高原」です。
塗師祥一郎は、雪景色の名手として知られ、日本を代表する現代の洋画家です。
塗師祥一郎は、文化勲章受章者の小絲源太郎に師事し、大学在学中に日展初入選を果たすなど、早くからその才能を開花させていました。雪景を主題にした写実絵画を長年にわたり発表し、近年では、日展文部大臣賞を受賞し日本芸術院会員となり、旭日中綬章も受章しています。
塗師祥一郎は、雪景色の中に、そこに暮らす人々の希望と、春を待つ気持ちを表してきた洋画家です。
塗師祥一郎の描く雪の風景は、春の気配が感じられる温かみのある雪景色で、構図を大切にする画家として知られています。春の気配を求めて新潟や山形へ写生に出かける塗師祥一郎が、雪景色を描くのは、構図により空間や余白を表現したいからだといいます。
また、塗師祥一郎の雪景色の作品は、風景の中に人物が登場しないことも特徴のひとつです。
余白を効果的に使うことによって、人物を描かずして、写実的な風景画の中に配された集落に暮らす人々の生活を見事に映し出しています。
今回買取致しました塗師祥一郎の「雪の高原」は、叙情的な風景の中に、日本の美しさを感じる心落ち着く牧歌的な作品です。まだ雪深い山のふもとの木立や遠景の家々、雪に埋もれた高原など、ひっそりとした佇まいに、風景と人の繋がりが感じられます。
自然の中の形を利用しながら雪の白を生かしたバランスのよい構図で、荒涼とした中にものびのびとした大らかさのある雪景色が描かれた素晴らしい作品をお買取させていただきました。
いわの美術では、塗師祥一郎の油彩画の買取を強化しております。
春間近の雪景色を描いた温かみのある塗師祥一郎の作品は、市場でも注目度が高く、高価買取が期待できます。 塗師祥一郎の作品買取なら、美術品・絵画の知識と買取経験豊富な専門の査定・鑑定スタッフが常籍するいわの美術に是非お任せください。