今回お買取した作品は、現代の画家Martiros MANOUKIAN (マーティロ・マヌキアン)の肉筆油彩画です。
旧ソ連邦のアルメニア自治共和国生まれのマーティロ・マヌキアンは、16歳の頃よりその頭角を世に表し、前衛芸術大賞を受賞した人物です。
マーティロ・マヌキアンの突出した才能が認められ、高校卒業と同時に国立美術院に入学し、後には旧ソビエト連邦芸術家連盟会員の名誉を得て、旧ソビエト中の芸術家達に大きな影響を与えました。
旧ソビエトという地で、早くから才能を開花させてきたマーティロ・マヌキアンですが、共産主義には同調できずにいました。
高い評価と人気を獲得し、数々の栄誉に輝いていたにもかかわらず、心は満たされずにいたマーティロ・マヌキアンは、自由を求めてソ連崩壊前の40歳の時についにアメリカに移住しました。
政治的制約から解放されたマーティロ・マヌキアンは。溢れんばかりのエネルギーで、自由に、美しいと感じられるものを、愛をもってキャンバスに描きました。
そして、アメリカに渡ってわずか2年で独自のスタイルを築き上げ、名声を得ることとなりました。マーティロ・マヌキアンのアートのテーマは、「青の時代」「ゴールドの時代」「新しい光の時代」と広がり、力強く、かつロマンチックで官能性に溢れた作品の数々は日本でも人気を集めています。
お写真の買取したマーティロ・マヌキアンの作品の裏面には”affection”と記されたシールが貼付されており、神秘的でミステリアスなマドンナが抽象的に描かれている油絵です。
ブルーを主体とした色彩的にも強烈なインパクトのある作品です。マーティロ・マヌキアンの油彩画には、金箔・銀・樹脂・液状真珠などが色の一部として使われることがあり、今回買取の作品もそういった顔料を使い、ムード・感情が、マーティロ・マヌキアン的に表現されています。
版画では表現できない、肉筆油彩画ならではの色と色の微妙なグラデーションを持ち、優美なる深い輝っている素晴らしい作品をお買取させていただきました。
