今回、いわの美術がご紹介するお品物は、以前千葉県でお買取した油彩画です。
作者は横田善夫といい、タイトルは「朝の運河」というものでした。
横田善夫は東京声専音楽学校を卒業しているという画家としてはちょっと変わった経歴を持っていますが、二科展で初入選を果たしてからは特選も受賞し、以後、無所属作家として活躍を見せてきました。
フランス、スペイン、イタリアを旅行した事をきっかけにフランス、ドイツなどを自転車で写生旅行に出かけており、その時のヨーロッパののどかな風景を点描という点の集まりだけで絵を描く技法で、独特の雰囲気を持つ作風を築き上げました。
点描を用いた作家は日本のみならず海外でも多数存在し、その作品はそれぞれ違った雰囲気を持っています。
横田善夫の場合、確かな写実力と画面構成によって描かれており、点描と言われなければ気付かない人も多いかもしれません。
横田善夫の作品にはキャンバスの裏にサインと作品のタイトル、描いた場所を記入しており、今回お買取した作品もオランダのアムステルダムを描いた作品という事が分かりました。
「朝の運河」と題された作品は、朝日が昇ってくる様子をしっかりと捉えた作品で、静寂の中にも少しずつ街が動き出している様子がしっかりと描かれています。
作品自体には大きな傷や汚れなどはなく、横田善夫の中古市場は高くなってきていますので、高価買取とさせて頂きました。