今回、いわの美術がお買取したお品物は日本の洋画家・人見友紀の作品で、良く見るとサインが「青山友紀」となっています。
これは人見友紀が古美術窃盗団に関与して盗品を売買した事が発覚し、逮捕寸前で海外に逃亡し、世界119ヶ国から国際指名手配されていた事が大きく関係しています。
香港からヨーロッパ各地を点々とした人見友紀はギリシャのアテネに定住すると洋画家として本格的に画家としての活動を始め、その際に使用していた名前が「青山友紀」でした。
ヨーロッパ時代は街角で描いている側からその絵が売れていくほどの人気ぶりで、当時は「青山友紀」として大変な人気を得ていました。
そのため、ヨーロッパの風景を描いた作品には「青山友紀」の名前が見られるものも存在します。
そんな人見友紀の作風の特徴は、思わず写真と目を疑ってしまうような写実的なもので、厚く塗られた立体的なマチエールなのですが、繊細な色使いと細やかな筆致で丁寧に描かれている事から厚ぼったさを感じる事はありません。
また、日本に帰国してからは日本の古き良き風景を題材にしたものが多く、晩年になるに連れて作品の透明度は増しています。
その人気の高さから贋作も出回っており、査定には注意が必要な画家の一人ですが、今回お買取した人見友紀の作品は、額の裏に人見友紀直筆のサインと落款が記されており、作家本人が保証をしている作品という事、保存状態が良かった事が高く評価され、高価買取となりました。
もしこれが人見友紀直筆のサインや落款がなかったとしても、いわの美術では経験豊富な鑑定士が査定を行っており、人見友紀の作品はこれまでに何度も買取を行ってきましたので、確かな実績を持っております。
