今回、いわの美術がお買取したお品物は、アメリカを代表するアーティストで3Dアートの先駆者ジェームス・リジィの3Dアート「Washington ain`t no Square Park」です。
この作品は平面に描かれた絵柄にスポンジなどを載せ、その上に下と同じ絵柄を切り抜いたものを置く事で、切り抜いた部分の絵だけが飛び出して浮いて見えるように制作されたもので、非常に手の込んだ作品です。
また、ジェームス・リジィの作品群の中でもサイズが大きいもので、全部で350部制作されています。
今回、お買取したジェームス・リジィの3Dアート「Washington ain`t no Square Park」はシルクスクリーンのお品物で、「Artist `s Proof」の略称からとったAP版と呼ばれる作家管理分として刷られたものです。
シルクスクリーンなどの版画作品はエディションナンバーというものが振られており、1/350などと書かれている場合、分母の数字が刷られた枚数を意味しており、この数字が少ないと希少価値が上がるため、高価買取が期待できます。
さて、今回お買取した作品の作者ジェームス・リジィですが、ニューヨークブルックリンで生まれ、1974年にブルックリン美術館で行われたナショナル・プリント・ショーで華々しいデビューを飾り、「都会の喧騒」をテーマに作品制作を行い、当初はミロやクレーの伝統を引き継ぐタッチで描いており、自分のスタイルを「アーバン・プリミティヴ」と言っていました。
1980年頃より、自分だけの独創的なスタイルを確立するために、すべての作品を立体化するようになり、3Dアートの世界的人気作家となりました。
ジェームス・リジィの生み出す作品は、底抜けに明るく楽しい作風で好印象を持てるものが多く、公共機関や企業の広報活動にも取り上げられるなど世界的にも評価されており、1996年にはアトランタオリンピックの公式アーティストとして大会のイメージポスターやオリジナル版画を手掛けました。
その人気はアメリカ国内だけではなく、ドイツ、フランス、イタリアなど芸術が盛んな国にも支持されており、中古市場を賑わせています。
ジェームス・リジィは2011年にこの世を去っているため、作品の価値が上がりつつあり、いわの美術でもコンディションにもよりますが、高価買取で対応できる作家の一人となっています。
