今回いわの美術がお買取したお品物は、相原求一朗の油彩画「能取湖雪もやい」です。
相原求一朗は埼玉県出身の洋画家で、冬の北海道の景色を詩情溢れる作風で描き上げる事で知られています。
新制作協会会員としても活躍し、日本のモダニズム洋画を代表する猪熊弦一郎に師事しています。
農産物の卸問屋の息子として生まれた相原求一朗は画家を志望しており、東京美術学校進学を希望していましたが、父親の反対を受け家業を継ぐ事なりました。
その後戦争が勃発し21歳で兵役につき、満州やフィリピンに配属されます。
帰還する際、搭乗していた飛行機が墜落したため重症を負ってしまい、この頃から再び絵を描くようになりました。
その後、仕事の関係で大国章夫に出会った事をきっかけに本格的に絵を描くようになり、新制作展に出品した「白いビル」で初入選を果たしました。
多くの秀作を生み出し、北海道の大自然を題材とした作品たちは相原求一朗が初期の頃、抽象画を手掛けていたという事実を忘れてしまうほど大きく変化しています。
今回お買取りした作品も能取湖の風景をモチーフに描き出した心象風景画で、保存状態も良く、共シールや共箱もご一緒でしたので高く評価できました。
