今回いわの美術がお買取したお品物は、多くの女性像を手掛ける画家・上尚司の油彩画「訪問」です。
上尚司は東京都出身で東京藝術大学美術部芸術学科を卒業しており、その時に独立美術協会会員として活躍し、林武、野口弥太郎と並んで3大巨匠と言われた高畠達四郎に師事していました。
現代日本新作画展、現代の裸婦展で出品・受賞をした後はどの美術団体にも所属せず、個展を中心に活躍を見せています。
とてもシンプルな構図でモデルとなる女性を描く上尚司は、女性の真の美しさを描きあげ、際立たせているのが最大の特徴です。
お買取した油彩画もアトリエの一室で、華やかな衣装はまとっていないモデルを起用しており、まるで「今から絵を描くからちょっとそこに座っててくれない?」と描き始めたのではないかと思わせる雰囲気が漂っていました。
作品自体の保存状態は良い方でしたが、一部に絵具のひび割れが生じていました。
油彩画は、ひどく乾燥した場所や直射日光が当たる場所で保管すると絵具のひび割れや変色を起し作品の価値を下げてしまいます。
今回は遠目でみれば分からない程度でしたので大きな査定額減額には繋がりませんでした。
ちなみに買取額アップとなるプラスの要素は、保存状態が良い事以外にも共箱や共シール、保証書など作品を保証するものがご一緒である事です。