今回いわの美術がお買取りしたお品物は、抽象絵画の先駆者と言われている山口長男の作品です。
山口長男は、1902年に韓国のソウルで生まれ18歳まで母国で過ごし、その後絵画に興味を持ち勉強を兼ねて日本に移り住みます。
日本では、本郷洋画研究所に入りその当時指導を行っていた岡田三郎助の元で絵画の基礎や技術を学びました。
その後20歳で東京美術大学に入学した山口長男は、在学中に見た佐伯祐三の作品に衝撃を受けその後慕うようになり、卒業後は佐伯祐三の後を追うようにフランスへ渡ります。
フランスへ渡った山口長男は、様々な美術品に触れる中パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックの作風に刺激を受けて自らの糧とし、また彫刻家であるオシップ・ザッキンのアトリエに足しげく通い彫刻も学びました。
フランスには、山口長男と同じく佐伯祐三の作品に衝撃を受けた荻須高徳、横手貞美、大橋了介と共に渡仏します。
山口長男以外の3人は佐伯祐三の作風を自らの作品に取り入れたのに対し、山口長男は様々な美術品に触れた事で初期の絵画に対する写生的な考えを取り払い、物に触れた感覚をそのまま作品に生かすという独自の作風を作り上げます。
これが山口長男の作風の原点であり、日本で抽象画が生まれたきっかけにもなりました。
買取可能な抽象画家の作品
元永定正、白髪一雄、篠田桃紅、ジミー大西
岡本太郎、吉原治良、瀧口修造、ジョアン・ミロ
津高和一、野見山暁治、菅井汲など
今回お買取りした山口長男の作品は、青と黄色の背景に黒と赤の線が描かれた独特な抽象画です。
額縁に傷や額裏にシミ・テープ跡などありましたが、作品の右下と額裏に山口長男のサインが入っていた事から良い評価でのお買取りとなりました。
いわの美術では、山口長男の作品以外でも、画家兼絵本作家である元永定正や、昭和後期から平成にかけて活躍した白髪一雄、海外ではスペイン画家のジョアン・ミロなど様々な作品をお買取りしております。
絵画では、作家名・タイトル・作品のサイズ・絵画の種類(油彩・版画など)によって評価は異なりますので、詳しい情報を頂けますと幸いです。
また、遺品や頂き物で詳しい情報がわからない場合は、作品全体・サインのアップ・額裏・保証書の写真と、作品のサイズを頂けますと詳しく査定が行えます。
お引越しや遺品整理、コレクションの整理、事務所移転などに伴う絵画の処分をご検討されていましたら、ぜひ一度いわの美術までお問い合わせ下さい。