今回いわの美術では、木々の作品を数多く描き上げた星襄一の作品をお買取り致しました。
1913年新潟県に生まれた星襄一は、教師になるため台湾にある台南師範学校へ入学し19歳で卒業後、台湾にて教師として13年間教壇に立ち続けました。
33歳で台湾から帰国後、生まれ故郷の新潟県にある小出町にて印刷業を営む傍ら、孔版画という日本独自の技法を独学で学びながら作品を製作していきました。
独学で孔版画を学び始めてから3年後の1949年に日本版画協会展へ作品を出品したところ見事入賞します。
この出来事を皮切りにもっと版画を勉強したいと思った星襄一は、30歳を過ぎてから武蔵野美術学校の西洋学科に入学し42歳で卒業、その後、師など付けず独学で木版画を学んでいきました。
1959年には国画会展にて受賞し、翌年その功績が認められ国画会会員に推挙されます。
その後も精力的に作品制作に携わり、木・雪・星座など自然をテーマにした作品を数多く描き上げました。
65歳には「第二回日本横断 星襄一 木版画展」を開催し大盛況となりましたが、翌年惜しまれつつもこの世を去ってしまいました。
星襄一の作風
星襄一の作品のほとんどは、木を題材にして描かれています。
作風としては単調ですが、木の中にも様々な物語が感じられるのです。
春には桜でピンクがかった可愛らしい木、夏には緑がかった葉が涼しさを感じさせ
秋には夕焼けの背景に映し出される紅葉、冬には雪化粧をまとった幻想的な木が描かれています。
森林や木を描くだけでこれだけの様々な感情を感じさせてくれる作品はなかなかないでしょう。
星襄一の作品を見ていると時が止まったように作品の中に引きこまれる不思議な感覚が感じられます。
また、星襄一が最初に独学で学んだ孔版画は、日本で100年の歴史をもち古くから使われている技法です。
作品の特徴としては、和紙に描いたようなぼかしやペンで描いたような軽いタッチも表現出来る為、星襄一の幻想的な作品にはピッタリの技法と言えます。
こちらのお品物は、神奈川県の方からお譲り頂きました。
ご依頼頂いた方のご両親が退職祝いに会社の方から頂いたそうですが、飾らず現在まで蔵に保管されていたそうで、蔵を解体するので片づけていたところ見つけたとの事でした。
ご両親に確認を取ったところ処分して構わないと言われたとの事でしたので、お買取りさせて頂きました。
蔵の中には、絵画や古いおもちゃ、日本刀など様々なお品物が出てきたため、これらのお品物もお譲り頂きました。
いわの美術では、蔵や家の解体・生前整理・遺品整理・引っ越しなどで「捨てるには忍びない」お品物などお買取り致します。
中古市場の需要と供給、お品物の相場をお調べして査定額をお出しし、ご納得頂けましたらお買取り成立となりますので、安心してお問い合わせ下さい。