今回いわの美術では、平山郁夫の銅版画「シリア砂漠の夕」という作品をお買取り致しました。
平山郁夫は1930年に広島で生まれすくすくと育ちますが、中学3年生の時広島原爆に巻き込まれ被爆してしまいます。
戦争が終わるまでは物資も少ないので満足に食べる事が出来ず大勢の人が空腹に耐えていましたが、平山郁夫は大好きな絵を描く事で空腹が紛れたそうです。
戦後は戦争により住んでいた家が無くなってしまったので、両親の実家に引っ越しそこから近い中学に転校しました。
中学卒業後、小さい頃から平山郁夫がずっと絵を描く姿を見ていた祖母の兄から東京美術学校を勧められ16歳で入学します。
1952年東京美術大学卒業と同時に同校の日本画科副手に就任し、当時日本画科主任であった日本画家の前田青邨の下で働きながら、個人的に弟子入りして技術を学びました。
その後、23歳で展覧会に出品した「家路」という作品が初入選を果たし、以降様々な展覧会で受賞を重ねます。
29歳の時、原爆の後遺症で白血球が減少し死を覚悟した事もありましたが、見事復帰を果たし、その後三蔵法師をテーマにした「仏教天来」という作品を描き院展での入選を果たしました。
以降、展覧会での受賞を数多く重ね、35歳で初の個展を開催し、翌年には東京芸大第一次中世オリエント遺跡学術調査団に参加しトルコのカッパドキアという地域にある洞窟修道院壁画の現状模写を行います。
42歳で東京芸術大学教授に就任後も、自身の作品の幅を広げる為アフガニスタンやトルコなどの中東アジア、シルクロード、フランスなど数々の国に足を運んで取材を行い、サン・フランチェスコ寺院の壁画の模写も手がけました。
その後これまでの功績が認められ、57歳で東京美術大学美術学部長に就任、翌年にはユネスコ親善大使にも任命、遺跡調査なども積極的に行います。
78歳の時中国美術館で「平山郁夫芸術展」を開催し成功を収めた翌年、79歳でこの世を去りました。
平山郁夫の作品買取について
今回お買取りしたのは、「シリア砂漠の夕」という作品で、タイトル通り夕方のシリア砂漠をラクダに乗った人が数匹のラクダを引き連れて歩いている作風となっております。
こちらの作品は、平山郁夫が好んで題材にしていたシルクロードが舞台となっていて、夕日に照らされるラクダの姿が幻想的に描かれています。
こちらのお品物は、絵画をコレクションしていた埼玉県の方からお譲り頂きました。
ご依頼主の方は絵が大好きで、いつか小さくてもいいから自身の買った作品を展示し美術館を作りたいと思われていたそうです。
ですが、自身も高齢になりこれ以上作品を購入するのは不可能と判断し、泣く泣く作品を手放す決心をされたそうです。
今回お買取りした平山郁夫の作品以外にも、その他の平山郁夫の作品や草間彌生、東山魁夷などの作品も多数ございましたので出張でお伺い致しました。
弊社いわの美術では、平山郁夫の作品をお買取りしております。
今回のお品物のようにシルクロードを題材にした作品は中古市場でも人気が高く、お品物によっては高評価にてお買取り出来る可能性がございます。
また、絵画の買取に関しては、作家・作品名・エディションナンバー・状態・保証書・鑑定書の有り無しによって査定額が変わりますので気になるものがございましたらお気軽にいわの美術までお問い合わせ下さい。
お問い合わせ方法は、電話・お問い合わせフォーム・LINEの三種類からお選びいただけます。
作家・作品名・大きさなどがわかっている場合はお電話でも大体の査定額はお伝え出来ますが、全く品物の情報がない場合はお電話での査定は難しくなります。
その場合、お問い合わせフォームやLINEにてお品物の画像や大きさを頂けましたら査定は可能です。
ですが、作家やタイトルなどがわかっている状態でもお品物が市場に全く出回っていない場合もありまして、その際はお電話だけではなくお品物の画像を頂く事もありますので予めご了承下さい。