今回いわの美術では、藤城清治の小さな恋という作品をお買取り致しました。
まるで絵本の中に迷い込んだかのようなとてもファンタジーで可愛らしい作品を描いているのは、日本を代表する影絵作家の藤城清治です。
藤城清治は1924年東京に生まれます。
幼い頃から絵を描いたり細かい作業に没頭する事が大好きな少年で、小学校に入学後は授業中でも絵を描いていたそうです。
そのうち、藤城清治の絵が上手いとクラスメート達の間で話題となり、いつしか描いた作品が学校内で表彰されるようになりました。
最初はただ好きで絵を描いていた藤城清治でしたが、多くの人から自身の絵を褒められた事で「自分には絵の才能があるのではないか」と考えるようになります。
その後、12歳で慶応義塾の普通科に入学しそこで絵を教えていた画家の仙波均平に出会い水彩・油絵・銅版を本格的に教わります。
この頃から絵を描く楽しさよりも画家になる気持ちが少し芽生えていたのではないでしょうか。
16歳になると慶應大学経済学部予科に入学し、絵画サークル「パレットクラブ」へ所属して絵を沢山描き数々の展覧会に応募しました。
18歳では、新制作派展に出品した黒衣の少女という作品が入選を果たしています。
影絵との出会い~影絵作家
慶應大学経済学部予科に入学した際絵画サークルの「パレットクラブ」の他に「児童文学研究会」というサークルにも所属していました。
「児童文学研究会」サークルで人形製作の指導を行っていた講師の小澤愛圀からアジアにある影絵人形を見せられた時、その伝統的な美しさに惹かれていき、影絵の世界にはまっていく事となり、ここから影絵作家藤城清治の歴史が始まります。
慶応大学卒業後は、影絵作家として活動しながら米国映画を輸入し日本で上映していた現在の東京テアトルに入社し、宣伝部で映画の選定やパンフレット作成・上映期間の決定など数多くの仕事をこなし多忙な日々を過ごしました。
24歳では「暮らしの手帖」という雑誌で自身の影絵が初の連載となり、48年間の長きに渡って掲載され続けました。
「暮らしの手帖」での連載が決まった2年後には、『ぶどう酒びんのふしぎな旅』という影絵絵本を初出版し、以降人形劇の演出や影絵ガラス絵など様々な分野で活躍されます。
また、藤城清治の作品は日本のみならず海外からも非常に高評価を得ていて、1982年には文化親善使節に任命され、パキスタン、エジプト、アラブ首長国連邦などで影絵劇の上演を行いました。
1992年には山梨県に「藤城清治影絵美術館」を開設し、1995年には勲四等旭日小綬章を受章されました。
現在97歳という高齢になった藤城清治ですが、今でも製作活動の手を緩める事なく現役で頑張っておられます。
藤城清治 小さな恋
今回いわの美術がお買取りしたのは、藤城清治の小さな恋という作品です。
こちらの作品は、2人の子供が小さな結婚式をあげようとしているような作風で、真ん中にはスーツを着た立会人のような猫がいます。
その周りでは蝶とテントウムシが祝福しているかのように2人の周りを飛び回り、小鳥は男の子の帽子の上でキスをし、小人はバイオリンで2人を祝福する音楽を奏でているような作品に仕上がっています。
とても可愛らしいこちらの作品は、状態が良かった事から高評価でお買取り致しました。
弊社では、藤城清治の作品をお買取りしております。
ご自宅や会社・事務所・店舗に飾られている藤城清治の作品や、まだ飾っていない藤城清治の作品をご売却お考えでしたら、是非いわの美術までお問い合わせ下さい。
絵画の査定では、作品の大きさ・タイトル・証明書などの情報が必要となります。
ご売却の際はこちらの情報を事前に確認頂いてからお問い合わせ下さい。
絵画買取可能な作家
高塚省吾・東郷青児・児玉幸雄・酒井抱一・小川巧・草間彌生・木原和敏
清水規・内山芳彦・那波多目功一・加山又造・岩沢重夫・片岡珠子などなど