キャンバスいっぱいに広がる青空と水平線を隔てた穏やかな海面には太陽の光を一身にうけて輝く二艘のヨット。静寂の一瞬を透明感豊かに描いたこちらの作品はミッシェル・バテュによるシルクスクリーン画『休暇』です。シルク印刷の特徴を活かしてインクを厚めに塗ることで色味の濃淡をはっきりとさせたデザイン性にも優れたアート作品です。
毎日を忙しく過ごす現代人が求める『休暇』のひとこま。今まさにこの景色を目の当たりにしているような錯覚を感じ、キャンバス越しにも情景の美しさに惹き寄せられ 心が安らぐ魅力があります。
ミッシェル バテュ/Michele Battut 1946年パリ生まれ 
高い写実性の中に心象風景を織り込み、画家の心のフィルターを通して表現された風景画が人気のフランスの女性画家。日本では東京メトロのパスネットのデザインに採用されたのをきっかけにその名前が広く知られるようになりました。
幼少期は喜劇が好きで劇団で演じていたこもあったというバテュは、10歳の頃より思い浮かぶままに色々なものを描くことが好きになったそうです。建築家だった父親から設計用の大きなスケッチブックや絵筆を与えてもらい、両親がぐっすりと眠る夜中遅くにひとり時間を忘れて描く"秘密の時間”が大切なひと時だったといいます。
高校時代から本格的に絵画のレッスンを受けるようになり、1964年パリ国立美術学校へ入学します。在学中にギリシャやアメリカなど世界を旅して印象に残った風景を創作の源にし、世界的レベルの展覧会にも次々と出品するようになりました。
1967年にはモントリオール万博に出品、オーストリアで初めての個展を開催するなど国内外において活躍する画家に成長した彼女は、のちにその頃を「全身全霊を作品に傾け、その作品を発表する度に大きな喜びを感じ、自分はアーティストとして生きるしかないと確信した」と自らの進むべき道を決意した時だったと回顧しています。
1971年にはパリで開催されたカーサ・デ・ベラスケス賞を受賞、奨学生としてベラスケスの故郷スペイン・マドリードにて1年間の美術留学を果たします。帰国後も着実に躍進を続け、1986年には由緒あるフランス芸術家協会ソシエテ・デ・ザルティスト・フランセにおいて最も偉大な栄誉賞を、1988年フランス造形美術展にてグランプリ賞、さらに2001年にはフランス文化功労ヴェルメイユ勲章受章など多数の賞に輝き、多方面において認められる作家として活躍するようになりました。また、2003年には女性としては1830年創立以来2人目となるフランス国防省海軍公認画家に選出されています。
世界中を旅することを通して自然の美しさをあらゆる角度から観察し、自身が感銘を受けた風景の一瞬の表情を捉えてキャンバスに定着させる。「絵を描くことこそ生きる源、心からの情熱であり、次に描きたい題材は常に頭にある」と語るバテュは70代半ばを超えた今も パリにあるノートルダム大聖堂を見渡す眺めのいいアパルトマン最上階のアトリエで日々精力的にキャンバスに向かっています。
弊社いわの美術では今回お取引させて頂いたバテュ作品以外にも、ミッシェル・バテュが影響を受けた画家として挙げるゴヤ、ベルナール・ビュッフェなど、その他多数の画家による作品のお買取りを強化しております。お手元に処分をお考えの絵画をお持ちでしたらぜひ当社にご相談ください。ホームページに写真を送っていただくだけで可能なWEB査定またはLINEによる無料査定のほか、初めてのお客様にも安心してご利用いただけるよう、お電話フリーダイヤル0120-226-590でのご相談も受け付けております。
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