こちらの油彩画は いわの美術で先日まとめてお買取りしたお品物の一つ、解良常夫による『吹く』です。
解良常夫は気鋭の洋画家として期待されていましたが1997年に57歳で急逝しています。
この『吹く』はハーモニカを吹く子供が大きくデフォルメされ、不思議な生々しさが漂う重厚な作品です。
解良常夫
東京で生まれ育った解良常夫は小さな頃から絵や工作が好きで、中学の美術の先生との出会いから画家になることを意識し始めますが、絵で食べることの難しさを周囲から心配され、高校は工業系へ進み機械設計関係の仕事に就きます。
それでも絵のことは諦められず仕事の後は毎日キャンパスに向かい独学で勉強し、24歳からは仕事を辞めバイトしながら絵を描き、絵具代の為に仕事をするような生活で絵で食べて行くことの辛さが身に染みたそうです。
光陽展を中心に活動し35歳の時に会員秀作賞を受賞、文部大臣奨励賞など計5回の受賞を重ね、日本美術家連盟会員そして光陽会運営委員を務めるなど期待の若手となり精力的に活動していました。
元々 古道具などに興味があり、アトリエにはまるで骨董屋か民芸品店かのように古い物が並び、それらに実際に触れることで感性が刺激され創作活動のヒントになるそうです。
感性を高めるには本物を体感するということにこだわっており、古道具収集の他にアメリカやヨーロッパにも訪れています。
1997年に中国に訪れた際、漢代の俑(よう: お墓に副葬した人形)に出会い深く感動し、帰国から2ヶ月後に本格的に俑の連作に取り掛かろうとしていた矢先、自宅で作業中に大動脈解離で急逝となってしまいました。
作品へのこだわり
解良常夫は「うまい絵じゃなくて、いい絵を描きたい」と、見栄えの良い作品ではなく、観る人に何らかの形で作家の心が伝わり、感動を与えるような作品を作りたいと言っていました。
その為に発想・感性・技術を磨き、「貧しても鈍しない」を心構えに画を世に送り出していたそうです。
そして、いい絵になるかどうかはマチエール(下地)にかかっているとのことで、全エネルギーの6~7割を注ぎ独特のマチエールを作っていました。
そのようにして制作された作品は、何とも言えない奥行きがあり、深みや温もりを感じさせます。
お亡くなりになっているので、作品は中古市場でしか入手ができません。
もし倉庫や物置に眠っている解良常夫の作品をお持ちの場合は、次に必要とされる方へ引き継ぐお手伝いをさせて下さい。
解良常夫の作品をお売り下さい
いわの美術では解良常夫の油彩画などの作品をお買取りしております。
作品の出来によってはお買取り対象外となることがありますが、対象外の作品であっても別のお品物と一緒であればお買取り可能となることもあります。
また今後、解良常夫の作品の評価が更に上がるかもしれません。
いわの美術では最新の中古市場の状況を反映した誠実な査定を行っております。
まずは写真を送信することによりお手軽に無料査定を受けることができる、WEB無料査定又はLINE無料査定のご都合の良い方をお試し下さい。
ご不明な点などありましたら、お電話フリーダイヤル(0120-226-590)でも受け付けております。
ご売却はお客様のご納得の場合のみお受けしておりますので、初めてのお客様も安心してご活用下さいませ。
また、解良常夫の他に以下の近代洋画家の作品もお買取り強化中です。
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